ご挨拶
世界の認知症患者数は現在4,700万人と推計され、2030年には7,500万人を超えると予想されています。認知症は今や世界共通の切迫した課題であり、グローバルな認知症対策への取り組みが進められています。
日本では、2025年の認知症患者は、現状の約1.5倍となる700万人を超えるとの推計が2015年厚生労働省より発表されました。さらにMCI(軽度認知障害)患者数を加えると、約1,300万人となり、近い将来には65歳以上の3人に1人が認知症患者とその予備軍といえます。
2015年に厚生労働省により策定された「新オレンジプラン」の基本的な考え方は、「認知症の人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指す」こととされています。そのための具体策として、①認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進、②認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護等の提供、③若年性認知症施策の強化、④認知症の人の介護者への支援、⑤認知症の人を含む高齢者にやさしい地域づくりの推進、⑥認知症の予防法、診断法、治療法、リハビリテーションモデル、介護モデル等の研究開発及びその成果の普及の推進、⑦認知症の人やその家族の視点の重視、という7つの柱が設定されています。
筑波大学附属病院認知症疾患医療センターでは、このような社会背景を踏まえ、「認知症になっても住み慣れた地域で安心して生活できる社会」の実現に向け、早期診断、早期治療、家族への認知症疾患理解の啓発、医療及び介護機関従事者への教育、情報発信等々、様々な取り組みをして参ります。
スタッフ
センター部長 医師 新井 哲明
センター副部長 医師 太田 深秀
医師 田村 昌士
医師 関根 彩
精神保健福祉士
臨床心理士
看護師