抗アミロイドβ抗体薬治療について
2023年に承認されました抗アミロイドβ抗体薬治療レカネマブ(レケンビ®)に引き続き、2024年末に新たにドナネマブ(ケサンラ®)も承認され、当院でも取り扱いを開始いたしました。両薬剤はアルツハイマー病による軽度認知障害あるいは軽度のアルツハイマー型認知症の方が対象となります。使用にあたりましては、厚生労働省「最適使用推進ガイドライン」に基づいて様々な検査を行い、治療の適応があるかどうかを判断いたします。
◎治療が受けられる医療機関につきまして◎
両薬剤は、2~4週間毎の点滴やMRI検査など頻回な通院が必要となるため、お住まいの地域の医療機関で治療を受けることが望ましいです。茨城県内で治療を受けられる医療機関につきましては、県のホームページに記載がありますのでご確認ください。
茨城県「認知症を知るページ」
↑contents内にある PDF 認知症治療薬「レカネマブ」(レケンビ®)初回投与実施医療機関について(まずは「かかりつけ医等」にご相談ください)をご確認ください。
茨城県保健医療部健康推進課 地域包括ケア推進室 認知症対策担当
電話:029-301-3333
◎患者様をご紹介いただける医療機関の皆様◎
本薬剤の治療をご希望の患者様がおられましたら以下の点にご留意いただきご紹介いただけますようお願いいたします。
・ご本人様、ご家族様が本薬剤の治療をご希望されていること
・MMSEが19点以上であること(HDS-Rであれば18点以上が目安)
・MRIの撮像が可能なこと
・1年以内に脳卒中の既往がないこと
・2~4週間毎に30分~1時間かけての点滴治療およびMRI検査等で頻回な来院が可能であること
・経過観察が適切に行える同居の介護者(施設入所者は施設職員でも可)がいること
・当院に1時間以内に来院できる距離に患者様が居住していること
(原則お住まいの医療圏での投与をお願いしております。投与条件を満たしていてもそちらの施設をお勧めすることもございます)
・本薬剤の治療を継続して受けられる安定した精神状態であること
当センターでは、抗アミロイドβ抗体薬治療をご希望の患者様をご紹介いただく際にご使用いただく専用の書式を用意しております。また、治療についての簡単な説明用のリーフレットも作成いたしましたのでよろしければ患者様への説明の際にご活用下さい。
「抗アミロイドβ抗体薬治療依頼用診療情報提供書」と「抗アミロイドβ抗体薬治療に関する説明リーフレット」が下記よりダウンロードできます。
ご紹介いただく際は、こちらをご使用頂けましたら幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
筑波大学附属病院 認知症疾患医療センター部長 新井哲明